皆様こんにちは!
社会保険労務士法人ことのは、
中小企業診断士の山下典明です。


  • 就業禁止とする必要がある。
  • 休業手当支給の義務はない。
  • 業務外業務中?確認必要。
  • 保健所法的根拠を確認する。

事業場内で「伝染病」罹患が発覚したら、かなり焦りますよね。これが蔓延、お客様へも感染でもしたら、社会的にも問題視されること必至です。会社側としては、ルールを踏まえ、現場を慌てさせない対応を心掛けたいですね。※ご連絡いただいた時、私自身、焦りました!


引用 ⇒ http://www.jatahq.org/siryoukan/torikumi/index.html

上記資料によれば、日本国内における新登録結核患者数は「17,625人(2017年統計)」とのこと。予防さくとしては「適度な運動・十分な睡眠・バランスの良い食事」、働き過ぎの方は要注意ですね。


  • 就業禁止とする必要がある。

結核等の厚生労働省が指定する伝ぱの恐れがある伝染病については、感染・発症が分かった時点で、対象者を即刻「就業禁止」とする必要があります。

  • 労働安全衛生法 第68条(病者の就業禁止)⇒ e-Gov
    「事業者は、伝染性の疾病その他の疾病で、厚生労働省令で定めるものにかかつた労働者については、厚生労働省令で定めるところにより、その就業を禁止しなければならない。」
  • 感染症法における感染症の分類(具体的な疾病名等)
     https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000203410.pdf

  • 休業手当支給の義務はない。

会社の責による休業の場合は、平均賃金の6割を「休業手当」として支給する必要があります。しかし、結核のような疾病は、一般的に考えれば会社として防ぎようのない感染症であるため、「休業手当」支給は義務付けられていません。なお、会社の判断でこれを支給する分には問題ありません。ただし、前例となるため、「あのとき・あの人には支給したのに、なぜ今回はダメなのか?」といったトラブルになる可能性はあります。支給するのであれば、ルールとして決めておくことをおススメいたします。


  • 業務外業務中?・・・確認必要。

では、結核が完全に治るまでの期間、収入が途絶えてしまうことになりますので、その間どうするのか?

  • 伝染病なのだから国から補償されるの?

との考えが出てきそうですが、「業務外」で感染したのか、「業務中」に感染したのか、これらを確認することから始めます。つまり、他の疾病・ケガと同様に考えることになります。

  • 業務外(私傷病):健康保険 傷病手当金
  • 業務中(労 災):労働保険 休業補償給付等(5号様式・8号様式)

なお、「業務中」の場合、まずは上記の5号様式・8号様式を、労働基準監督署へ提出してください。その後、結核のような「伝染病」の場合は、別途資料の提出を労基署から指示されることになりますので、こちらに従ってください。別途資料がどのようなものになるかは、状況によるそうです。


  • 保健所法的根拠を確認する。

事業所内で「結核」発症が確認された場合、市区町村の保健所から全員検査の指導が下される場合があります。その場合、「検査に要する時間(賃金)・費用」、これらをどうするのか?

労基法や安衛法では、これに対する明確な定めはなく、事業主裁量に任されています。払っても良し、払わなくても良し、ということです。

但し、市区町村の保健所が「何に基づいて全員検査の指導をしているのか」を、確認してみましょう。これが何がしかの法令条例によるものであれば、「検査に要する時間(賃金)・費用」について定めが存在する可能性があります。その場合は、この定めに従うことになります。

よって、労基法や安衛法に記載がないという根拠だけで「支給なし」とするのは、若干乱暴な対応となり、法令条例に違反する可能性を否めません。


冒頭の繰り返しとなりますが、「伝染病」と耳にするだけで焦ってしまいますが、会社としては上記対応を予め知っておくことで、現場を慌てさせない(混乱を最小限に食い止める)対応が可能です。そして、その姿勢を示すことで、安心・安全な職場であることを、知っていただくことができるのではないかと思います。

 

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中小企業診断士 山下典明


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