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労働保険「断続的労働、申請ポイント、運用注意点」(No.184)2019.1.16

皆様こんにちは!
社会保険労務士法人ことのは、
中小企業診断士の山下典明です。


  • 休憩時間は少ないが手待時間が通常よりも多いことを示す。
  • 実態が重要。
  • 時間外休日労働適用除外となる。
  • 深夜割増は除外されない。

まずは、断続的労働に関する、具体的な職種について設定。

この度は「会社役員の運転手」という職種に設定してみます。様々な場所へ出かける際に社用車を利用、早朝~深夜、会食事などは外で待つ(※黒塗りの高級車が路上駐車しているシーン、馬車道付近でもよく見かけます)ことも多い職種です。

今回の職種については、「断続的労働」として「労働基準監督署」へ申請、「許可」を受けることで、時間外休日労働適用除外とすることができます。

  • 申請時のポイントは何か?

申請には、「様式第14号(第34条関係)断続的労働に従事する者に対する適用除外許可申請書」と「様式第13の3 監視又は断続的労働に従事する者に対する適用除外許可申請書に添付する調査票」という、(何とも長い名称の)書類を使います。ここで重要なのは、、、

  • 休憩時間は少ないが手待時間が通常よりも多いこと
  • 実態が重要

例えば、様式第13号の3 調査票では、「勤務内容の詳細」という欄で、実際のタイムテーブルを記載、ここで手間時間多いことを示します。

しかし、この度の設定職種「会社役員の運転手」では、一般化されたタイムテーブルを記載することは困難です。このような場合、勤務実態が記された「出勤簿」や「記録」等を、サンプルとして数週間分提示することになります。


  • 時間外休日労働適用除外となる。

申請が受理され、労基署から「許可」を得ることができれば、「時間外休日労働」は適用除外となり、「1日8時間」という労働時間の縛りはなくなります。


  • 深夜割増は除外されない。

しかし、深夜割増(22:00~翌5:00)の労働は「許可」の対象外であるため、この分の割増賃金は支払う必要があります

  • 手待ち時間深夜割増は必要か?

場合によります。

  • 時間が明確である ⇒ 深夜割増なし
  • 時間が不明である ⇒ 深夜割増あり

例えば、深夜の会食、23:00から始まったとします。これがいつ終わるのか?

仮に、23:00~25:00という時間設定が「明確」ならば、その間、運転手は何をしても自由ですから、割増賃金の支払いは不要です。しかし、23:00~未定ならば、運転手は車で待機している必要があるため、割増賃金の支払いは必要です。なお、争議になった場合、このような判断基準に従うことになる可能性が高いとの回答を、労働基準監督官から確認をとれています。


補足)手続き

  • 様式第14号(第34条関係) 正・副(2部)コピー不可
  • 様式第13の3(調査票) 正・副(2部)コピー不可
  • 同意書(会社と対象労働者の間) 書式は自由(日付・署名・押印)

なお、同意書には、断続的労働として働くこと、労働条件について説明を受け、労使同意したことを記載してください。


中小企業診断士 山下典明


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