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キャリアアップ助成金「正社員化コース、令和4年4月改定」(No.350)2022.3.14

キャリアアップ助成金「正社員化コース、令和4年4月改定」(No.350)2022.3.14

皆様こんにちは!
社会保険労務士法人「ことのは」
中小企業診断士の山下典明です。


  • 正社員化コース(令和4年4月1日改正)
  • 有期 ⇒ 無期 が削除される
  • 短時間正社員制度を検討する
  • 各種手続きの確認を行う
  • 審査が厳格化されている

  • 正社員化コース(令和4年4月1日改正)

改正されるまでは、以下の3つが設定されていました。
○ 有期⇒正社員(570,000円)
○ 有期⇒無期(285,000円)※R4.4.1~削除
○ 無期⇒正社員(285,000円)

しかし、令和4年4月1日改正により「有期⇒無期」が削除されます。こちらに該当する転換を実施なさっている事業主様は、ご注意ください。

厚生労働省リーフレット:https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000900336.pdf


  • 有期 ⇒ 無期 が削除される

以下のようなケースも、対象外となりますので、ご注意ください。

具体例)
正社員は所定労働時間8時間
○ 対象者は有期から正社員に転換するが所定労働時間7時間
○ 短時間正社員制度を設けていない

これまでは「短時間正社員制度」がなくても「有期 ⇒ 無期」という扱いで、助成金(285,000円)を受給することが可能でした。しかし、この度の改正により「有期⇒無期」が削除されるため、このような扱いができなくなります。

仮に、上記の具体例、現場スタッフ「8時間」、本社勤務事務スタッフ「7時間」、どちらも正社員であるならば、少なくともその労働条件を就業規則へ明記しておく必要があります。しかし、過半数がどちらか(8時間?7時間?)で判断される可能性もあります。このあたりは、今後の審査動向により判断せざるを得ないかと思います。


  • 短時間正社員制度を検討する

正社員より所定労働時間は短いけれど、正社員という身分にするのであれば、「短時間正社員制度」を設けることを検討してみてください。「短時間正社員制度」が施行されていれば、「有期⇒正社員」に該当することになります。前述の具体例とは180度変わって、助成金対象者となります。

但し、転換する前に制度施行(※労基署届出を含む)が必要であること、ご留意ください。


  • 各種手続きの確認を行う

この度の法改正により、前述のとおり「有期⇒無期」が削除されます。短時間正社員制度を施行して、これに備える場合は、以下手続きが必要です。
○ 短時間正社員制度の作成・施行・届出
○ 短時間正社員への転換条文の加筆・施行・届出
○ キャリアアップ計画書(変更届)提出

なお、上記手続きをしなったとしても、通常の「有期 ⇒ 正社員」に関しては影響しません。よって、「何が何でも短時間正社員制度を施行」という訳ではありません。


    • 審査が厳格化されている

    不正受給が後を絶たず、それが故に審査の厳格化が進む一方です。最近、申請窓口で感じることを、以下に箇条書きしておきます。助成金の利用を考えていて、1つでも気になる点があれば、早急に対処しておくことを、おススメいたします。助成金窓口で「以前は問題なく受理してくれた!」は言及しても良いですが、通用しないものと考えた方が良いでしょう。
    × 各種手当を支給しているが、賃金規程には掲載されていない。
    × 固定残業代を支給しているが、何時間分なのか、どこにも明記されていない。
    × 月平均所定労働時間、実際のところ何時間かは不明。
    × 従業員雇用形態(正社員、契約社員、P/A、嘱託社員等)の区別が明記されていない。

    これらへの措置が徹底されていないと、、、
    × 賃金UP要件を満たさない
    × 未払い賃金が生じており遡及支払いしないと受給できない
    × 過払いが生じており経営を圧迫していた
    × 同一労働同一賃金の観点から処遇差異の説明ができない

    など、、、助成金不支給だけでなく、様々な問題を抱えることになります。助成金であれば、もらえるはずの助成金がもらえないだけですが、労使トラブルが裁判に発展してしまうとキャッシュアウトの可能性が増えるだけです。過払いについて「来月から賃金下げます」「過払い分を徴収します」は、簡単には通用しません。

    中小企業診断士 山下典明


    横浜・みなとみらいの社労士事務所

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