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労働者派遣「特定派遣廃止による影響を考える!」(No.136)2018.9.28

皆様、こんにちは。
ことのは、中小企業診断士の山下です。

 

● 2018年9月29日「特定派遣制度」廃止

そしてどうなる?


  • 偽装請負増える!?
  • 行政調査の件数が増える!?
  • 派遣社員が減ると現場残業増える!?
  • 失業率上昇!?

神奈川労労働局、派遣「許可申請」窓口にて、

  • 9月末、許可申請手続き、混んでますか?

質問をしてみたところ、、、

  • 予想していたほどではないですねぇ~。
  • 相談件数に比べて申請件数は少ないです。
  • 相談案件のファイルが溜っている状況です。

とのことでした。

 

やはり、財務要件厳格高めのハードルの存在が、一要因だと思います。

この高めのハードル超えられないけれども、現在「特定派遣」を行っているところは、どうなるのか?


  1. 仕事を失う(失注)
  2. 請負契約に切り替え
  3. 新会社を作って財務要件をパスする

ということが考えられます。

 

「1.仕事を失う(失注)」

これまでの売上が得られなくなるため、派遣元では雇用維持が難しくなります。派遣労働者が止む無く契約解除となった場合、失業、今後が不安視されます。このようなケースは増えるでしょうから、失業率上昇となるでしょう。

派遣先では深刻な労働力不足となりますので、「働き方改革」どころではなく、「残業増」、国策に逆行する恐れがあります。「残業代」が増えることで、「随時改定」「定時改定」により社会保険料は増加します(※えっ!?まさか、これがウラ本丸!?)。手取りは増えるでしょうが、疲弊した従業員が消費する機会は少ないでしょう。「残業代」が支払われれば良いのですが、「未払い残業代」が増える場合は最悪です。

「2.請負契約に切り替え」

派遣元業者から請負業者と呼び名が変わり、売上確保ができるため、雇用維持可能です。一方で、これまで派遣先業者が行っていた指揮命令不可となるため、仕事のやり方に変化が生じます。仮に今迄通り指揮命令を行った場合、「偽装請負」となり「違法」です。行政は、派遣報告等により、データを保持しています。調査対象として狙われやすく、摘発数増加すると考えられます。

2018年9月末で、「特定からの切替」需要は激減するため、労働局における調査余力が生じます。実際、労働局窓口において、「調査が増える!」と言っていました、、、。一方で、「法律とは言えども、上手くいくのか?きっと上手くいくはずだ、、、」といった希望的観測も聞こえてきます。厚労省の不祥事など、世間の風当たりも強い中、調査官もやり難いと思います。

「3.新会社を作って財務要件をパスする」

会社設立、社員の転籍、商取引関係等、様々な手続きが生じます。現預金2,000万円」の調達、純資産が負債の7分の1以上といった課題も残ります。決して簡単な話ではありません。

また、特定からの切替ではないため、「許可証」が交付されるまでは、派遣業務を行うことができません。神奈川県では、2018年9月末の許可申請は、2019年3月1日に許可証が交付されるとのこと。だとすると、10月~2月までの計5ヵ月間は仕事(派遣業務)ができなくなります。ほぼ半年の売上が吹っ飛ぶということは、何を意味するのか。慎重に考える必要があります。

 

やはり、特定派遣制度は、残しておいた方が良かったのでは?と、今更ですが、思います。

皆さん、いかがでしょうか。

 

中小企業診断士 山下典明



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