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労働者派遣「労働者派遣事業許可申請 確認票 にみる要チェック項目!」(No.141)2018.10.9

皆様、こんにちは。
ことのは、中小企業診断士の山下です。

 


  1. 申請理由
  2. 資産要件
  3. 派遣禁止業務
  4. 派遣元責任者
  5. 事業所要件
  6. 専ら派遣
  7. マージン率
  8. 教育(キャリアアップ)
  9. 特定派遣における未届出の有無


神奈川労働局版(ver 2018.5.15版)

 

神奈川労働局へ、労働者派遣事業「許可申請」を提出する際、別途資料として上記書面へのチェックを求められます。1~9、9つの項目が掲載されており、経験上、窓口審査で厳しくチェックされる項目です(1を除く)。

 

2.資産要件

①「預貯金」が2,000万円以上あること。なお、「預貯金」には、売掛金を含むことができません。
②「資産-負債」が負債の7分の1以上であること。

直近の決算書において、これらを満たすことができなければ、それ以上の手続き準備をすすめても、受理されることはありません。

資産要件がハードルとなり、仕方なく「許可申請」を断念するケースもあります。実際、労働局窓口への相談件数よりも申請件数が少ないという現象は、これに該当することも多いはずです。

3.派遣禁止業務

派遣が禁止されている業務があります。

港湾運送業務・建設業務・警備業務・病院等における医療関係」


出典:神奈川労働局

もし、「法人登記簿謄本」に、これらの業務が記載されている場合、上記「誓約書」の提出が必要となります。もちろん、これらの業務を派遣事業として実施することを予定していた場合、申請が受理されることはありません。

4.派遣元責任者

必ず任命しなければならない「派遣元責任者」。これになるためには「派遣元責任者講習」を受講、その「証明書」が必要です。講習は比較的頻繁に実施されていますが、いつでも・どこでも受講できるわけではありまえん。「許可申請」手続きのスケジュールを手元に、受講スケジュールを立てるようにしてください。

なお、過去に受講している場合、どのくらい過去なのか?これが3年を過ぎている場合、再度受講しなければなりません(※3年に一度受講必要)。「証明書」に記載された日付を、必ず確認してください。

なお、雇用管理経験3年以上必要という要件もあります。申請書では具体的な経験を表すような記載を求められます。例えば「2010年~人事総務部長」などの記載です。

5.事業所要件

労働者派遣事業のために利用する事業所、その面積が20㎡以上あること。これだけであれば、比較的問題ないことが多いのですが、これに加えて「派遣元責任者」「職務代行者」「保管棚(施錠)」「導線」「入口・出口」「施錠環境」等が、事細かにチェックされます。

そして、許可申請の際に提出した事務所レイアウト図を手元に、実地調査が行われます。この際に、図面と異なるようであれば、指導を受けることになります。

6.専ら派遣

特定派遣業務では、ある特定の企業への派遣を行うといったケースが多かったと思います。これがいわゆる専ら派遣であり、(特定ではない)通常の労働者派遣事業では禁止されています。

特定からの切替においては、なかなか難しいとは思いますが、専ら派遣とならぬよう、他会社へも営業をしていく努力が必要となります。

7.マージン率

派遣事業による売上、ここから派遣労働者へ支払う賃金を捻出することが多いかと思います。そして、差し引きした額が「残額」、「利益」と考えたいところ。ならば「利益」の最大化を目指すという筋書きが成り立ちそうですが、、、これがあまりに巨額になりすぎると、是正または説明を求められます。なお、少額過ぎても、同様に是正または説明を求められます。

少額過ぎる場合は、「派遣労働者の社会保険料、そして教育訓練費用、これらを賄える仕組み」を問われることになります。

巨額過ぎる場合は、、、「暴利を貪っているわけではない!」ことを、合理的に説明することになります。

8.教育(キャリアアップ)

教育訓練が体系化されており、段階的にキャリアアップが行われる仕組みが整っている事業所であれば、さほど難しい要件ではありません。

しかし、経験上、多くの中小企業では、このような仕組みがあることは希であり、作成に四苦八苦することになります。

「基本⇒初級⇒中級⇒上級」
「一般⇒主任⇒課長⇒部長」

これらの軸に当てはめて、その地位にある人がどのような業務・専門性を持っているかを考えると良いでしょう。そうすれば、ムリなく体系化した教育訓練を設計することができます。

余談ではありますが、現状維持ならばこれで良いのですが、事業を更に発展させていく場合や新規事業を起こすならば、現状のプロットだけでは不十分です。5年~10年先の事業計画を手元に、教育訓練を設計していくことが求められます。

9.特定派遣における未届出の有無

年度報告のモレ、役員任命退任転居等に伴う変更届未提出等、これらが完了しなければ、受理されません。特に後者の役員については、「許可申請」手続きにおいて発覚することも多いようです。なお、昔過ぎて「法人登記簿に役員の名前がない!」といったケースがあります。この場合は、「閉鎖事項全部証明書」を法務局で出力することで、その名前を確認することができます。

 

中小企業診断士 山下典明



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